コロナウイルスは、なぜ変異しやすいのか?
「また新しい変異株?」
「どうして次々に種類が変わるの?」
新型コロナウイルスについて、そんな疑問を感じた方も多いのではないでしょうか。
実は、コロナウイルスは“変異しやすい性質”を持ったウイルスです。
今回は、その理由をできるだけ専門用語を使わず、身近な例で考えてみたいと思います。
コロナウイルスは「細胞」ではない
コロナウイルスは、細胞のように自分で分裂して増えるわけではありません。
ウイルスは、自分の「設計図」だけを持った非常に小さな存在です。
その設計図が、「RNA」です。
RNAには、
- どんな部品を作るか
- どうやって増えるか
といった情報が書き込まれています。
しかし、ウイルス自身は、その設計図を使って製品を作るための工場や機械を持っていません。
そこで、人や動物の細胞の中に入り込み、その細胞の中の設備を利用して、自分のコピーを大量に作らせます。
イメージとしては、
ある会社が、別の会社の工場に自社の設計図を送り込み、その工場の設備を使って、自社製品を勝手に大量生産させる
ようなものです。
つまり、
- 細胞 → 自分で分裂して増える
- ウイルス → 他人の細胞を使って自分のコピーを作らせる
という違いがあります。
このとき使われるRNAは、コピーの際に“ミス”が起こりやすい特徴があります。

「伝言ゲーム」をイメージすると分かりやすい
伝言ゲームを想像してみてください。
言葉だけで次の人へ伝えていくため、途中で、
- 言葉が変わる
- 一部が抜ける
- 少し違う意味になる
といったミスが起こることがあります。
人数が増えるほど、最後には最初とかなり違う内容になってしまうこともあります。
コロナウイルスの変異も、これに近いイメージです。
RNAは、DNAと比べてコピー時のミスを修正する仕組みが弱いため、複製のたびに少しずつ変化が起こります。
つまり、
- ウイルスが大量に増える
- RNAが何度もコピーされる
- その中で小さなミスが起こる
ことで、少しずつ違うウイルスが生まれていきます。
設計図を書き写すたびに、わずかな書き間違いが混ざっていくようなイメージです。

なぜ新しい変異株に“置き換わる”のか
ただし、変異したウイルスがすべて広がるわけではありません。
多くは大きな変化を起こさなかったり、逆に増えにくくなったりします。
しかしその中で、
- 感染しやすい
- 細胞の中で増えやすい
- 人から人へ広がりやすい
- 免疫の影響を受けにくい
といった特徴を持つ変異株が偶然現れることがあります。
すると、そのウイルスは以前の株より広がりやすくなり、徐々に主流が入れ替わっていきます。
その結果、
- 以前の株は減っていく
- 新しい変異株が増えていく
という「置き換わり」が起こります。
実際、新型コロナでも、
- 武漢株
- アルファ株
- デルタ株
- オミクロン株
というように、より広がりやすい変異株へ次第に置き換わっていきました。

まとめ
コロナウイルスは、細胞のように自分で分裂して増えるのではなく、人の細胞を利用して、自分のコピーを大量に作らせています。
その設計図が「RNA」です。
しかし、このRNAはコピー時にミスが起こりやすいため、
- ウイルスが大量に増える
- コピー回数が増える
- 小さなミスが積み重なる
ことで、さまざまな変異株が生まれていきます。
さらにその中で、
- 人から人へ広がりやすい
- 免疫の影響を受けにくい
変異株が、以前の株に“置き換わる”形で広がっていきます。
難しく感じる「変異株」も、
「伝言ゲームの中で、少しずつ言葉が変わっていく」
と考えると、イメージしやすいかもしれません。


