「シシャモ」と呼べるのは北海道産だけ? 本物のシシャモとカラフトシシャモの違い

北海道へ行ったとき、あるお店で、

「シシャモと呼べるのは北海道産のものだけです」

という張り紙を見つけ、驚きました。

では、私たちがスーパーで買うシシャモは、すべて北海道産なのでしょうか?

調べてみると、面白いことがわかりました。

実は、本来のシシャモは北海道の太平洋岸の限られた河川にしか生息しない、日本固有の魚です。漁獲量も少なく、全国にはあまり流通していません。

そこで、代役として広く流通するようになったのが「カラフトシシャモ(カペリン)」です。

カラフトシシャモは北大西洋や北太平洋などに広く分布し、まとまって漁獲されるため、日本にも大量に輸入されています。そのため、現在、一般に「ししゃも」として食べられているものの多くは、実はカラフトシシャモです。農林水産省も、全国で流通するシシャモのほとんどが輸入のカラフトシシャモであると紹介しています。

ただし、スーパーなどの商品表示では、「カラフトシシャモ」あるいは「カペリン」と表示されていることが多いようです。

さらに面白いのが、生物学的な分類です。

本物のシシャモとカラフトシシャモは、どちらも「キュウリウオ科」ですが、その下の「属」が異なります。

シシャモ
→ キュウリウオ科
→ シシャモ属
→ シシャモ

カラフトシシャモ
→ キュウリウオ科
→ カラフトシシャモ属
→ カラフトシシャモ

つまり、「同じ科だけれど、属が違う」という関係です。

これは、たとえばイヌとキツネの関係に少し似ています。

イヌとキツネは、どちらもイヌ科ですが、イヌはイヌ属、キツネはキツネ属です。

もっとも、こうした分類は、生物の共通する特徴や進化的な関係をもとに人間が作った分類体系です。

神様が「ここからが別の属」と線を引いたわけではありません。

ですから、分類上の違いを知ることは面白いですが、「カラフトシシャモだから本物より劣っている」と考える必要はないでしょう。

カラフトシシャモは安価で、子持ちなら卵の食感も楽しめます。それはそれで、美味しくいただけばよいのではないでしょうか。

では、栄養面ではどうでしょうか。

食品成分を比較すると、EPA・DHAを摂る目的なら、カラフトシシャモのほうが少し多く、一方、高たんぱく・低脂質を重視するなら、本シシャモが少し有利です。

とはいえ、両者の栄養成分に極端な差があるわけではありません。

「本物のシシャモでなければ健康に意味がない」ということではありません。

北海道で本物のシシャモを味わうのもよし、普段は手頃なカラフトシシャモを楽しむのもよし。

違いを知ったうえで、それぞれ美味しくいただけばよいのではないでしょうか。

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